サウナ紀行文集

サウナが好きすぎる男のサウナ紀行文

【フィンランド紀行文】〜フィンランドサウナ編〜ALLAS SEA POOL(アッラス・シー・プール)

サウナの旅人 (@sauna_no) / Twitter

 

 北極海を通る13時間のフライトから解放され、ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に降り立った私は、合計24時間以上の移動を経て、サウナの聖地フィンランドへと足を踏み入れた。時刻は5時55分、天気は雨、気温は16℃。半袖のTシャツでは、かなり寒く感じた。フィンランドの8月は夏の終わり頃。日本の秋のような季節らしい。フィンランドの空気を肌で感じながら、シンプルで北欧らしい空港を抜け、早速ヘルシンキのAllas Sea Pool(アッラス・シー・プール)へと向かった。

ALLAS SEA POOL

 「あなたはラッキーよ。」

 

 アッラスシープールのサウナで私の隣に座っていた大柄な女性が言った。サウナはバルト海側が大きなガラス張りになっており、私が座ったタイミングで大きな旅客船が港に入ってきたのだ。同時に、その大柄な女性は赤いボタンを押した。

 

 ジュワ〜…パチパチパチパチ…

 

 それはロウリュするためのボタンだった。心地よい蒸気が私を包み込み、疲れを癒した。ストーブのパワーは強く、その後も各自が自分のタイミングでボタンを押すのだが、ストーブはどんなときも優しい音を奏で、軽やかな蒸気を吐いた。ある者は、会話を楽しみ、ある者は己と向き合い瞑想している。子どもから大人まで、それぞれが好きに楽しんでいる。それがフィンランドのサウナなのだ。そんなふうに自己陶酔しながらサウナを出ると、バルト海から吹く心地よい風が、火照った身体を冷ました。マーケット広場で観光客の食べ物を狙うカモメの鳴き声を聞きながら、椅子に座り、目を閉じた。

 

 「本当にフィンランドに来たんだなあ。」

 

 その後は、バルト海にダイブしてみた。想像と違い、水は濁っていて汚かったが、充実感に満たされた。温水プールで地元のおばあちゃんと泳いだり、ハリーポッターにそっくりな人を見つけたりした。地元の人と旅行客を繋ぐ、そんな施設だった。

 

 サウナを終え、ロンケロを飲んだ。物価が高いので1000円くらいしたと思う。それは間違いなくフィンランドの味だった。

ORIGINAL LONG DRINK(ロンケロ)

sauna-ikitai.com