【フィンランド紀行文】〜フィンランドサウナ編〜Rajaportin Sauna(ラヤポルティンサウナ)
地元の老人の1人が言った。
「お前はどこから来た?日本?ナンデヤネン!モウカリマッカ?」
「何で日本語を知ってるかって?ここには毎日日本人が来るからだよ。フランス人もアメリカ人も毎日来る。そして俺は毎日ここにいる。もう何十年もな!」
Rajaportin Sauna(ラヤポルティンサウナ)はフィンランドに現存する最古の公衆サウナである。最古と言われるだけあって、シャワーすらない。しかし、巨大なストーブと大量のストーンから発せられる熱と蒸気は、今もなお人々を魅了し、世界各国からこのサウナを求めた旅行客が後を絶たない。
サウナは、地元の老人が3人、フランス人が2人、そして私だった。よく晴れた午後であった。
ラヤポルティンサウナの蒸気は、他のどのサウナとも違っていた。何物にも形容し難い、爽やかさがあった。間違いなく世界最高のサウナだ。
サウナは一つのコミュニティであった。言語の壁がある私も、あたたかく迎えてくれた。
私は英語もわからないため、ほとんど彼らの話が理解できなかった。それでも、彼らと話すのは楽しかった。
フランス人の1人が、帰り際にマグカップをくれた。ラヤポルティンサウナのイラストが描かれたものだ。彼は一生懸命私に何かを伝えていたが、彼が言っていることはほとんどわからなかった。
別れ際に一緒に写真を撮った。フランス人は照れくさそうにしていたが、野心的で、生命力溢れる目をしていた。