サウナ紀行文集

サウナが好きすぎる男のサウナ紀行文

【フィンランド紀行文】〜フィンランドサウナ編〜UUSI SAUNA(ウーシサウナ)

サウナの旅人 (@sauna_no) / Twitter

 

 「俺について来い!ロウリュはこうやってやるんだ!」

 

 レバーを動かすと、サウナストーブが大きな口を開けた。日本では見たことないタイプのストーブだ。ストーブ上部を開けると、そこに大量のストーンが積まれている。

 

 「ここに水を入れるんだ。ミックスサウナには水風呂もあるぞ!」

 

 ミックスサウナとは男女共用サウナのことらしい。そこには、アヴァントバスという名の小さなバスタブがあり、温度は6℃を示していた。

UUSI SAUNA

 ここはUUSI SAUNA(ウーシサウナ)。住宅街に突如現れる、比較的新しいサウナ施設だ。一見レストランかバーにしか見えない。しかし日本で何度も見た、特徴的なネオンサインがあったので間違いない。私は恐る恐る中に入った。

 

 「サウナ、オッケー?タオルプリーズ」

 (片言にも満たない英語力だが、意外と伝わるものだ!)

 

 開店と同時ということもあってか、客はほとんどおらず、オーナーがサウナをひと通り案内してくれた。サウナはレストラン、バーエリアの奥にあった。ひと通りの説明を聞き、マリメッコのタオルを受け取って男性サウナへ向かった。

 

 「Have a nice afternoon!」

 

 レバーを動かし、長いラドルで、オーナーがして見せたように雑に水を注ぎ込んだ。ストーブは肉食動物の鳴き声のような音をあげ、強烈な蒸気を吐いた。一気に汗が吹き出し、あらゆる負の感情を一気に流してくれた。

 

 そこでデザインを学びに来ている日本の学生に会った。よくここに来るのかと聞くと、アパートにサウナがあるからたまにしか来ないと言った。フィンランドすごいなあ。一緒に中庭で外気浴をした。



 「フィンランドって、冬はまるで別の国ですよ。夏の今はみんな陽気だけど、冬は家に篭ってます。なにせ、日もほとんど登りませんから。陽の光を浴びないせいか、冬のフィンランドって自殺者も多いんです。でも、冬のフィンランドは本当に綺麗なんです。」

 

 学生はタバコをふかしながら言った。サンタクロースの国フィンランドの冬も、この目で見てみたい。


 そのときは食べ損ねたウーシサウナのサーモンスープを食べに訪れようと思う。

(※日照時間と自殺の因果関係はないらしい。)

sauna-ikitai.com